転職のかんづめ
しごとのかんづめ
はたらく人の雇用・労働基礎知識
誰でも会社では気持ちよく働きたいもの。でもトラブルにみまわれたら?
そんな時、味方になってくれるのが法律。ちょっと難しそうですが、社会保険労務士がわかりやすく解説します。

Vol.08 少し得する退職後の保険知識
(2007年9月25日改訂)
8回にわたり連載してきた「はたらく人の雇用・労働基礎知識」も今回が最終回。
最後に退職にまつわる、ちょっとお得な社会保険・雇用保険の知識を解説します。

INDEX
Vol.01 労働条件通知書(その1)
Vol.02 労働条件通知書(その2)
Vol.03 派遣と請負
Vol.04 有給休暇徹底解剖!
Vol.05 社会保険 ― 加入の条件
Vol.06 社会保険 ― 扶養の条件
Vol.07 いざという時貰える保険給付
Vol.08 少し得する退職後の保険知識





筆者プロフィール

鈴木 絵里
(すすき えり)
社会保険労務士
鈴木絵里社会保険労務士事務所
履歴
  静岡東高、神奈川大学卒業
  ビールメーカー・給与計算会社勤務後
H13 社会保険労務士試験合格
H15.7 鈴木絵里社会保険労務士事務所設立
H15年度 しずおか産業創造機構
経営支援アドバイザー登録

question 会社を辞めた場合、社会保険はどうなるのか教えてください。
answer 会社を辞めると、基本的には今まで加入していた社会保険は脱退することになります。(後で説明する任意継続といって、要件を満たせば会社の健康保険を継続して加入することもできます。)健康保険証は退職日までは使用できますが、翌日からは使用できなくなってしまいます。突然の病気で保険証が無いのも不安ですので、会社を辞める前に退職後の自分の社会保険をどうするかを考えておいた方がよいでしょう。

退職後の社会保険

退職後すぐに就職しますか?
[いいえ]退職後無職のAさん [はい]再就職が決まったBさん
家族の扶養に入れますか? 転職先で社会保険に加入できますか?
いいえ はい いいえ はい
家族の扶養になる
家族の健康保険の扶養に入れれば、自分自身は保険料を支払わなくて良いため一番お得です。但し、年金は自分で国民年金に加入しなければなりません。(夫の扶養に入れる20歳以上60歳未満の妻は、国民年金の第3号被保険者といって、年金保険料の負担はありません。手続きも夫の会社の方でやってくれます。)
転職先の社会保険に加入する

※注
転職先で社会保険に加入できない場合も、自分で保険加入の手続きをしなければなりません。

まず年金は、国民年金に加入します。健康保険は、選択肢が2つあります。
(1)会社の保険を任意継続する
退職前に2ヶ月以上健康保険の加入期間がある方は、退職後2年間まで会社の保険を任意継続できるという制度があるので、それを利用する。
(2)国民健康保険に加入する

どちらを選択するかは、やはり保険料が安くてすむ方を選択すべきでしょう。これは退職前に調べでおくことをお勧めします。
(2)の国民健康保険の保険料は、住所地役場の国民健康保険の窓口に本人が電話をすれば教えてくれますし、(1)の任意継続の場合は、退職前に給与から天引きされていた健康保険料の2倍の額になると考えてください。(任意継続した場合に月々支払う保険料には上限額がありますので、2倍の額よりも安い方もいます。上限額は会社の保険により異なりますので、会社に確認するとよいでしょう。)
(1)の任意継続を選択した方が一般的に保険料が安いという人の方が多いです。但し、任意継続をする場合は、退職後20日以内に手続きをしなければ継続できませんので、注意しましょう。
※扶養に入る要件についての詳細を知りたい方は、Vol.6 社会保険―扶養の要件を参照してください。



失業給付の貰う額で損をしないためには[雇用保険の失業給付]
雇用保険の失業給付の金額は退職日前6ヶ月間の給与額から計算されることはご存知ですか?(短時間勤務のパートの場合は、12ヶ月間の給与額)ですから、最後の6ヶ月間で欠勤が多かった、手当が下がった(例えば引越しをして、通勤手当や住宅手当が下がった)、歩合給が低いなど、退職前になって給与額が下がるのは、失業給付を貰う場合は損なのです。ですから辞める会社とはいえ、欠勤をせず、最後まで一生懸命働いた方がよさそうです。(但し、最後の6ヶ月間に病気などで30日以上働けない状態が続いて、その期間の給料が貰えない期間がある場合、その期間は失業給付の計算から外れます。)

退職の時期を考える、そして誠意ある退職を…
退職を決意するときに、確認した方がよいのは、会社の就業規則です。就業規則には退職手続きのことや、退職金のことなどが書かれています。あと2ヶ月長く勤めていたら、退職金が倍額になっていたなどという話もありますので、辞める時期を考えるもの一つの賢い辞め方です。そして、できれば就業規則の退職手続きの方法に従って、業務引継ぎや、繁忙期を考慮して、早めに会社に退職の意志表示をするのがよいでしょう。また、人間どこで繋がりがあるかわかりません。将来、辞めた会社の上司に助けられることもありえます。最後まで責任を持って仕事をし、誠意を示した行動をとることで円満に退職でき、さらに退職後も良い人間関係を保てることが大切なのではないでしょうか。人と人との縁は、その人の人生の財産であると思います。

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