転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

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QUESTION & ANSWER

Vol.02更新日:2015年05月08日

Q. 後任が決まるまではと、退職手続きを取ってもらえず、出社を拒否したら、もめたときに不利になりますか?

A. 会社からの解雇以外で会社を辞める場合としては、(1)労働者の一方的意思表示によって労働契約を終了させる「退職」と、(2)会社と労働者が合意によって労働契約を終了させる「合意解約」があります。今回のケースは、退職手続きを取ってもらえないということですから、合意による解約は成立しておらず、(1)の「退職」の場合として考える必要があります。
退職については民法の規定が適用されます。あなたと会社との契約形態にもよりますが、仮に日給月給や時給制で特に期間の定めがない場合には、あなたはいつでも退職を申入れることができますが、実際に退職の効力が生じるのは「申入れの2週間後」です(民法627条1項)。そのため、後任が決まるまで出社する必要はありませんが、2週間は出社することをお勧めします。この期間出社しないことで仮に会社に損害が発生した場合、会社から債務不履行による損害賠償の請求をされる可能性があるからです。ただし、有給休暇が残っている場合には会社規定に従い有給休暇を行使することで出社しなくて済む場合もあるでしょう。
他方、あなたが完全月給制で働いている場合はどうでしょうか。たとえば毎月末締めで給与が支払われている場合であれば、その月の前半までに退職の申入れをすればその月末に退職の効力が生じますが、申入れが月の後半になされた場合には、退職の効力は翌月の末まで生じません(民法627条2項)。したがって、その期間は出社を拒否した場合に不利益となる可能性がでてきます。この場合でも、会社の「後任が決まるまで」という要望に応じる義務はないこと、有給休暇消化の可能性があることは先ほどと同様です。
なお、会社が就業規則などで上記の期間よりももっと前に退職の申入れをするよう定めている場合でも、そのような会社規定は民法627条に抵触しない範囲でのみ有効だとする裁判例もありますので参考にしてください。