転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.04更新日:2015年06月25日

Q. 有給休暇を申請したら、勝手に公休扱いにされていました。有給休暇扱いに戻してもらうことはできますか?

A. ご質問の意味を少し整理してみましょう。仮に、会社が予め定めた休日(公休)に有給休暇を申請したところ、有給休暇として給与支給の対象とされなかった、というご質問だとします。
この場合、結論としては、残念ながら有給休暇扱いにしてもらうことはできません。なぜなら、有給休暇などの「休暇」とは、労働者が本来就労義務を負う労働日に会社から就労義務を免除される制度のことです。そのため、(有給)休暇は、そもそも就労義務がない休日(公休日)には使えないのです。その結果、仮に、従業員が土日などの公休日に有給休暇を申請した場合には、会社としては、「その日は休日なので有給休暇は使用できませんよ。」と回答することになります。
他方、ご質問の意味が、就労義務のある労働日に有給休暇を申請したのに、その日の給与を支払ってもらえなかった、というものならどうでしょうか。
この場合は、会社は、従業員が有給休暇を使用した期間に対して賃金を支払わなければならないという労働基準法39条の規定に明らかに違反しています。従って、会社に対して有給休暇としてその分の給与を支払うように求めることができます。会社には給与支払義務が生じるだけでなく、罰則も課せられますし(同法119条1号)、さらには付加金といって裁判所により本来の2倍の賃金を支払うよう命じられる可能性もあるので注意が必要です(同法114条)。