転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.05更新日:2015年07月15日

Q. 実際に働いているのに研修という名目のため、会社から賃金が支払われないのですが、請求することは可能でしょうか?

A. 結論としては、当然に賃金を請求できます。
会社内の研修などの出席に際して賃金が発生するかは、その研修会の参加時間が「労働時間」(労働基準法第32条)にあたるかどうかの問題です。この点、最高裁は、労働時間とは、「労働者が使用者の指揮監督のもとにある時間」と判示しています(最判平12.3.9三菱重工業長崎造船所事件)。一般に、「研修」などの行事が使用者の指揮監督のもとにあるといえるかどうかの目安としては、参加が強制されているかどうか(これには事実上の強制も含みます)、また参加しなかった場合に不利益を受ける可能性があるかどうかなどの事情が挙げられます。他にも、研修と業務の関連性や業務上の必要性などについても判断材料とされる場合があるでしょう。
ご質問の件では、研修とは名ばかりで実際には労働をさせられているということですから、当然に「労働時間」として賃金が発生することになります。
同じように「労働時間」にあたるかどうかの問題は、他にも、始業前の打合せや準備作業、清掃作業、就業時間後の点検作業、さらには会社の運動会、慰安旅行など、様々な場面で生じてきます。これらもすべて、使用者の指揮監督のもとにある「労働時間」と言えるかどうかで判断されます。
ちなみに、出張中における移動時間などは、労働拘束性の程度が低いとして労働時間と認めらないケースが多いのが実情です。参考にしてみてください。