転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.07更新日:2015年09月28日

Q. 私がいまの会社に入社するにあたって、会社から父親が身元保証人となるように求められました。そのため、父親は会社に対して身元保証人となることを約束する書類を提出してしまったのですが、何かあった場合、父親は本当に会社にお金を払わないといけないのでしょうか。

A. 従業員を採用するにあたって、会社が身元保証人と身元保証契約を締結することはよくあります。身元保証契約では、本人が会社に損害を負わせた場合に、身元保証人がその損害を本人とともに賠償する内容が記載されます。基本的にはこのような契約も有効とされますので、身元保証人が会社に損害賠償をしなければならなくなることは実際あり得ます。たとえば、本人が会社のお金を横領した場合とか、故意や重大な過失で会社の物を壊してしまった場合などです。
しかし、身元保証については、身元保証に関する法律という特別な法律があり、身元保証人の責任がある程度法律で制限されています。たとえば、身元保証契約は期間を定めていない場合には3年に制限されますし、期間を定めたときでも5年が上限となります。自動更新の定めも無効です。
また、この法律では、身元保証人の責任や賠償額を決めるに際しては、会社側の過失や身元保証契約の締結の経緯、従業員の任務の変化など様々なことを考慮して決めるべきだと、明記されています。それもあり、実際に裁判になった場合、本人が賠償すべき金額の全てを身元保証人に請求することが認められることはまずないでしょう。裁判例では、本人の負担額の1割から2割しか認めなかったケースも複数あります。
このように、身元保証は、通常の借金の保証などとは異なる面がありますので、会社から身元保証人に請求がきた場合には、一度弁護士などに相談をされることをお勧めします。