転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.09更新日:2015年11月17日

Q. 仕事中に腰を痛めたんですが、会社が休ませてくれません。また、労災としても取り合ってくれません。誰に相談し、どのように改善を要求すればよいでしょうか?

A.
(1) 腰痛で仕事ができない場合、就業規則に休職の規定があればそれにしたがい、また就業規則に規定がなくても、診断書を会社に提出、休職願いを出した上で休職せざるを得ないと思います。この点、使用者は把握した従業員の健康状態からそのまま就業すれば著しい健康の悪化が予見される場合には適切な措置をとる義務があるとする裁判例もあります(横浜中央郵便局事件)。
(2) あなたの腰痛が労災にあたるかどうかに関しては、行政通達による基準が存在し、腰に負担のかかる業務の内容や、業務への従事期間がある程度具体的に列記されており、これらの基準が参考にされます。仮に、あなたの腰痛が業務に起因して発症したものであるにもかかわらず会社が労災として取り合ってくれない場合、実は、労災保険法に基づく労災関係の申請をするのは会社ではなく「本人」になります。
実務上は、事業主が手続を行う場合が多いですが、これは本人の手続を代わりに会社が行っているに過ぎません。そのため、会社が労災の手続をしてくれない場合には、労働基準監督署に相談し、本人として労災の申請を行ってください(会社が労災保険料を払ってない場合でも申請できます)。労災の各種請求書には、事業者が災害の内容について証明をする欄がありますが、事業主が証明してくれない場合は、証明を拒否されたという内容の書面を提出することで手続は可能です。この際、同時に、会社が労災手続に協力してくれないことについての相談も労働基準監督署にあわせて行うのがよいと思います。
(3) 最後に、労災による腰痛で休職が続く場合ですが、法律で、業務上の負傷や病気により休業する期間及びその後30日間は、会社は解雇できないと定められていることは知っておくとよいでしょう(労基法19条)。ただし、労基法81条は、療養開始後3年を経過しても傷病が治癒しない場合に限り、会社が一定の打切補償を支払うか、あるいは労働者が傷病補償年金を受けている場合には、解雇できる場合があるとの規定があることにも注意が必要です。