転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.15更新日:2016年6月17日

Q. 私には実は犯罪の前科があります。でも、今後は心を入れ替えて社会の中で働いていきたいと思っています。履歴書には、正直に前科のことを書かなければいけませんか。

A.
まず、どのような犯罪歴について履歴書に書かなければいけないかという問題があります。
この点、最高裁は、履歴書の賞罰欄にいう「罰」とは、基本的に確定した有罪判決のことだとしています(最判平3.9.19労判615.16)。まだ刑事裁判が確定していない場合には、申告義務はありません。
次に、犯罪歴の不申告が経歴詐称にあたるとして、具体的にどのような問題が生じるかです。通常は、経歴詐称が懲戒処分の事由にあたるか、という形で問題となります。
裁判の傾向としては、経歴詐称が軽微な場合には、経歴詐称を理由とした懲戒解雇は無効とされ、他方、重大な詐称の場合には、有効とされています。
犯罪歴に関していえば、少年当時の非行事実や保護処分、起訴猶予処分などの前歴(前科とは異なります)、比較的軽微な罪での罰金前科、10年以上前の窃盗の前科などの事案では、経歴詐称の程度は軽微だと判断されています。そのため、これらの不申告を理由とした懲戒解雇は無効となる可能性が高いです。
他方、比較的重い罪で、有罪判決を受けてからそれほど年数も経っていない犯罪前科の不申告は、重大な経歴詐称とされ、懲戒処分が有効となる可能性がでてきます。