Vol.20更新日:2017年1月27日
Q. 私は、消費者金融などに借金が200万円ほどあり、返済の目途が立たないので自己破産を検討しています。借金の存在や自己破産の事実が会社に知れた場合には、解雇などの懲戒処分を受けるのでしょうか。
A.
ご質問の件ですが、ほとんどの会社は、従業員の借金や破産の事実などを理由に懲戒処分をすることはないと思います。法的にも、借金というのは従業員の私生活の領域の話ですので、このことを理由に懲戒処分を行うことは原則として許されないと考えられます。また、いわゆるヤミ金などの借入の場合に、職場などに頻繁に嫌がらせの電話がかかってくることなどもありますが、それにより業務に支障が生じたとしても、それは会社と業務を妨害しているヤミ金との法律問題であって、そのような場合にもやはり従業員を処分することはできないと考えます。
もっとも、警備員や宅地建物取引主任者など一定の職業については、それぞれの業界の法律により、破産宣告から復権(免責許可決定の確定など)までの間は資格を失います。そのため、これによって仕事ができない状態になることで会社から普通解雇がなされることはあり得ます。また、ある信託銀行の従業員の事例で、この従業員は借金以外の素行にも問題があったようですが、会社の普通解雇を有効と判断した裁判例もありますので、参考にしてください。