転職のかんづめ >> 弁護士 永野海の雇用・労働問題ズバリお答え!
永野 海(ながの かい)プロフィール
借金を含む債務問題、事業再生、相続、離婚、契約チェック、損害賠償、交通事故、消費者問題の事件はもちろんのこと、行政事件、知的財産事件、会社更生事件から医療過誤事件(患者側)まで、比較的専門性の高い分野も含めて幅広い分野の経験があります。
<職歴>
  • (財)しずおか産業創造機構登録専門家
  • 富士市産業支援センター登録弁護士
  • (財)日本クレジットカウンセリング協会嘱託弁護士
  • (社)個人版私的整理ガイドライン運営委員会登録専門家
  • 消費者問題委員会委員
  • 災害対策委員会委員

マイベストプロ静岡

QUESTION & ANSWER

Vol.24更新日:2017年8月14日

Q. 私の会社では毎年6月と12月に賞与が支給されているのですが、私が5月末で退職をしたところ、会社からは、わが社は6月の賞与支給日に在籍している従業員に賞与を支給することになっているので、5月で退職した者には賞与は支給しないと説明を受けました。6月の賞与の支給対象期間の大半で勤務をしていたのに賞与をもらえないのはおかしいと思うのですが、会社の対応は正しいのでしょうか。

A.
ご質問の件ですが、多くの会社では、賞与の支給要件として、賞与の支給日に在籍する者とするなどの規定をおいています。
この点、最高裁は、賞与を支給日に在籍する労働者にのみ支給する慣行があり、後に労働協約で在籍要件が明記された事案で、こうした規定を有効と判断しました(最判昭57.10.7大和銀行事件)。また、その後の京都新聞社事件(最判昭和60.11.28)でも同様の判断がなされています。
そのため、残念ながら、会社に支給日在籍要件が確かな慣行として存在し、または就業規則などに明記されている場合には、賞与支給日前に退職した場合には、賞与はもらえない可能性が高いです。
ただし、就業規則などがなく「わが社の昔からの慣行だ」とのみ会社が主張している場合には、裁判の中で、そうした慣行は存在しないと否定され賞与の支給を受けた事例も複数ありますので、慎重に考える必要があります。また、本来の賞与支給日には在籍していたのに、賞与支給時期が退職後にずれこんだという場合には、賞与をもらえる可能性があります。
一般的な結論としては、退職はできれば賞与支給日の後にしましょう、ということになります。